
3Dプリンターや3D技術を活用することで、自由度の高いアルミ製品のデザインが実現することに、近年注目と期待が高まっています。3D技術を上手に導入することで、設計意図を完全再現した、試作・プロトタイピングが迅速化でき、スピーディな市場投入が可能になります。今回はそんな3D技術を使ったアルミ製品開発が可能な建材メーカーを3社紹介します。
アスザック株式会社
会社名 | アスザック株式会社 |
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住所 | 長野県上高井郡高山村大字中山981 |
電話番号 | 026-245-1000 |
アスザックは長野を拠点としてファインセラミックス、インフラエンジニアリング、各種センサなどの開発・製造・販売を手掛けるメーカーです。アルミ鋳物をメインに取り扱うアルミ事業部では、3Dプリンターを用いた製品開発に対応しています。
設計から型の製造まで一貫して3Dデータを活用
アスザックでは鋳造用樹脂型、模型、モックアップの設計製作サービスも提供しています。2次元・3次元のCADデータをもとにしてNC加工機のプログラミングを行うため、精度の高い切削が可能です。
NC加工後の仕上げを職人が担当しており、画面上の形状を維持しながら高精度再現ができます。設計から型製造まで3Dデータを一貫して使用することで、短納期かつ高精度品の提供が可能です。
3Dプリンターによるサンプル作成も依頼できる
アスザックでは注文前の打ち合わせ段階で、3Dプリンターを使った縮小サイズ(W255×D205×H225mm、ABS樹脂)の模型作成が可能です。形状を実体化して詳細部分を確認したり、テストモデルを作成したり、治具作成など幅広い用途に活用できます。
サンプル製作で型を作って鋳造する場合と比べて、短時間でコストを抑えて全方向から製品形状・陰影確認が可能です。
株式会社宮木製作所
会社名 | 株式会社宮木製作所 |
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住所 | 長野県上高井郡高山村大字中山981 |
電話番号 | 0766-23-8539 |
宮木製作所は「構想を実現に」を掲げる、アルミ鋳物総合メーカーです。半世紀にわたってアルミ鋳造の製造・販売を手掛けてきた実績と経験、そして培った技術力が強みです。設計、鋳造、塗装、発送まで一貫生産体制をとっており、ひとつの窓口から完成品が届くまでのトータルサポートを提供しています。
小ロットから大量生産まで顧客のニーズに応える会社
宮木製作所では顧客ニーズに応えることを第一に、小ロットから大量生産まで、幅広い数量レンジに対応しています。設計から試作、小ロット生産、大量生産まで同じメーカーが対応することで、顧客側は製品品質を一貫させられるメリットがあります。また、複数業者に分けて発注する場合に比べ、運搬費用や取引コストの削減ができ、試作・少量生産時のノウハウを活かして、大量生産時の効率化も期待できます。
宮木製作所では大手メーカーの新商品開発を手掛けたこともあり、試作品の金型設計、住宅やビルのエクステリア制作、建材部品の製造、機械部品から工芸品、意匠性の高い景観部品など、さまざまな業界での制作実績をもっています。
3D技術を用いた製造方法も提案可能
宮木製作所は、3D技術を用いた製造方法の提案が可能です。柔軟なアイデア提供能力があるため、新しい製造技術を積極的に導入したいケースに適しています。また、製品のデザイン段階から相談できるため、ニーズに適した3Dプリンティング技術や材料選択が可能となり、プロトタイピングや量産にいたるまでの工程をスムーズ化させられます。
そのため、初期の試作や小ロット生産を行い、徐々にスケールアップしていく計画がある、スタートアップや中小企業にとって心強いパートナーとなるでしょう。また、製品アイデアを具体的な形に落とし込みたいケースでも有効です。
菊川工業株式会社
会社名 | 菊川工業株式会社 |
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住所 | 東京都墨田区菊川2-18-12(本社・キクカワ東京オフィス) |
電話番号 | 03-3634-3231 |
菊川工業は昭和8年創業の、金属工事をはじめとする装飾建材の設計・製造・施工を手掛けるメーカーです。アーキテクチュアル・メタルワーク企業として、オーダー金属建材・店舗ファサード・インテリア工事、改修工事、標準金属建材・環境製品開発、金属加工受託、海外プロジェクトを軸に事業展開しています。
菊川工業の「アルミエール」の特徴
菊川工業が提供するオリジナル金属建材「アルミエール」は、光輝アルミ合金に光沢やテクスチャを加えた製品です。従来はステンレスなどで表現していた金属の光沢を、約1/3の重さのアルミで実現することで、空間表現の幅の拡大を実現しています。
特徴のひとつは、アルミの光沢度に変化をつけた仕上げによって、まわりの景色を淡く映し出せることです。また、特殊研磨・ゴールド・槌目など11種類もの立体的な光沢を放つテクスチャラインアップがあり、自由に選んで組み合わせを楽しめます。
さらに、光沢とテクスチャを組み合わせた特注仕上げが可能で、長尺パネル・特殊形状にも対応可能です。内外装建材の仕上げとして採用することで、インテリアを自在にカスタマイズできます。
3D加工技術のノウハウを蓄積
菊川工業では、3D-CAD普及にあわせて三次元カーブなどのデザインに対応できる設計・加工技術、シームレスデザインを実現できる広幅・長尺加工や溶接技術開発の促進に力を入れています。三次元加工技術に関しては、創業以来の経験と職人技を受け継ぐことで蓄積したノウハウを、3Dデータを活用した先端技術と導入・融合させることで、顧客の多様なニーズに対応しています。
まとめ
3Dプリンター・3D技術を駆使した製作が可能なアルミ建材メーカーを3社紹介しました。3Dプリンターや3D技術を駆使することで、従来の鋳造や加工技術では困難だった複雑なデザインが迅速に実現でき、ミクロン単位の精度で細部まで正確に製造が可能になります。また、適切な材料を選定することで強度を保ちながら軽量化やコスト効率の向上の実現、小ロット生産から大量生産まで柔軟に対応できるなど、多くのメリットが受けられます。とくにカスタム製品を求めるプロジェクトやスピード重視の製品開発を考える企業にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。