
アルミニウムという素材について、どれくらいご存じでしょうか?名前は耳にしたことがあっても、その特性や活用される場面について詳しく理解している方は意外に少ないかもしれません。今回は、そんなアルミニウムの特性や基礎知識について分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
そもそもアルミとは
まず、アルミはボーキサイトを原料にした金属です。こちらのボーキサイトは、1821年に南フランスで見つけられたのが最初となっており、ボーキサイトから純度の高い酸化アルミニウムを抽出し、その酸化アルミニウムを電気分解してアルミが作られます。
上記のとおり、アルミニウムは初めて発見されてからわずか200年ほどしか経っておらず、鉄や銅などと比較すると新しい金属といえるでしょう。ちなみに、ボーキサイトが一番生産されているのは、1位がオーストラリア、2位が中国、3位がギニアで、1位のオーストラリアは、全体の35.5%となっています。
アルミの作り方
ボーキサイトは鉱石として地中に存在しており、地中にある金属のなかで一番量が多いといわれています。しかし、アルミにするには高い技術が必要といわれてきました。アルミの製錬を発明したのはホールとエルーという人物で、1889年ごろに発明したと伝えられています。
そんなアルミの作り方としては、まず、ボーキサイトでアルミナと呼ばれる白い粉をつくり、そのアルミナのなかにある酵素とアルミニウムを分離させます。そして、最後に溶けたアルミニウムを型に流し込み、固めるという順番となっています。
アルミの特徴
次に、こちらでは、アルミがもっている性質や特徴を解説します。
軽い
アルミは、ほかの金属と比べると軽いのも大きな特徴です。鉄や銅と比べると3倍近く軽くなっているのです。この利点を活かして、アルミを原料としている製品は数多く存在しています。
例を挙げると、車や飛行機の部品をアルミにすることで、さまざまなものが軽量化に成功しているのです。
錆びにくい
アルミは、錆びにくいのも大きな特徴となっています。鉄などは錆びやすいイメージがありますが、アルミはほかの金属と比べて錆びにくくなっているのです。
また、錆びにくい点は耐食性に優れていることにつながり、大きなポイントとなっています。
加工がラク
アルミは加工しやすいため、さまざまな製品に利用されていることも大きな特徴です。あらゆる製品にも対応できることから、私たちの生活にアルミは、なくてはならない存在となっているのです。
熱をとおしやすい
アルミは熱伝導性に優れています。同じように銅なども熱伝導性に優れた金属となっていますが、アルミのほうが安価なため、銅の代わりとして利用されるケースが多いのも、ポイントです。
電気もとおしやすい
アルミは、電気もとおしやすいのも大きな特徴です。伝導度は銅には劣るものの、鉄よりははるかに高くなっているため、活躍の場が多いです。また、電気をとおしたい目的で利用する場合は、アルミ合金を使うのがベストでしょう。
アルミの合金としての種類と特徴
アルミはほかの素材と合わせることで、使用用途に求められる耐久性や加工性をさらに向上できます。こちらでは、アルミの合金の種類やそれぞれの特徴について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
純アルミニウム
純アルミニウムは、純度が99.0%以上と、アルミ純度が非常に高くなっています。そして、加工性や耐食性、熱伝導性なども高くなっている反面、強度が低くなっているため、切削加工には注意が必要な点が挙げられます。こちらの純アルミニウムは、1円硬貨や反射板などに使用されているのも、覚えておくべきポイントといえるでしょう。
アルミニウム+銅
こちらは名前のとおり、銅とアルミニウムを加えた合金となっています。アルミニウム+銅は強度が高く、切削性に優れており、熱処理を施しているのも、大きな特徴です。その反面、銅を含んでいるため、耐食性はアルミよりも劣るのが難点となっています。
アルミニウム+マンガン
こちらはアルミにマンガンを合わせたもので、純アルミの耐食性を維持しつつ、強度が高くなるのが特徴です。用途としては、調理器具や燃料タンクに多く利用されています。
アルミニウム+亜鉛+マグネシウム
こちらは、もっとも高い強度を誇っていることが大きな特徴です。その強度を活かし、主に航空機用材などに使用されています。
まとめ
この記事を読んで、アルミについて知ることはできたでしょうか。アルミは人知れずさまざまなところで大活躍しており、数多くの製品に使用されています。そのため、アルミは私たちにとって、かけがえのない存在になっているといえます。身近なところでもアルミは使用されているので、皆さんもアルミが原料の製品を探してみてはいかがでしょうか。そして、子どもや友人にアルミについての知識を教えてみるのも、面白いかもしれません。